内縁の妻や夫は遺産相続できないのか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最近では、役所へ婚姻届けを提出せず、内縁関係を維持する事実婚を選ぶカップルが増えています。

ただし、入籍をせずに内縁関係のままパートナーのどちらかが死亡すると、存命のパートナーは遺産相続ができない可能性があるのです。

・遺産相続の法定相続人となるのは配偶者と血族のみ

民法の規定によれば、法定相続人となれるのは法律上の婚姻関係にある「配偶者」と、死亡した被相続人の血族のみです。

ですから、事実婚の状態であっても、内縁関係の妻や夫には相続権はありません。

法定相続人ではない内縁の妻や夫は、遺留分や寄与分、特別寄与分などを他の相続人に対して請求する権利もありません。

端的に言えば、内縁関係の妻や夫には、遺産相続を受ける法的な権利が一切ないということです。

・前もって準備をすることで内縁の妻へ財産を譲渡することは可能

内縁関係の状態では法定相続を行うことは不可能です。

ただし、事前の準備があれば内縁関係のパートナーへ財産を残すことは可能です。

1つの方法として「遺贈」が挙げられます。

遺贈とは、「自分が死亡したなら財産の一部を特定の個人へ無償で与える」という旨を遺言書へ書き記すことです。

この方法であれば、内縁関係のパートナーへ確実に財産を残すことができます。

法律上の配偶者がいるものの、現在内縁関係のパートナーがいるといった場合でも、遺言に遺贈することが記載されていれば、法定相続人である配偶者への相続よりも優先して財産分与を受けることができます。

ただし、配偶者や実子などの法定相続人には遺留分を請求する権利があります。

ですから、「全財産を内縁関係のパートナーに遺贈する」と記載されていても、遺留分については法定相続人に支払う必要があります。

内縁のパートナーへ財産を残す別の方法は「生前贈与」です。

ただし、生前贈与は、年間110万円以上になると贈与税が発生するため注意が必要です。

毎年少しずつ生前贈与を行うことで、内縁関係のパートナーへ確実に財産を残すことができるでしょう。

・特別縁故者として財産分与を受ける

内縁関係にあった被相続人に1人も法定相続人がいない場合、特別縁故者として相続が可能になることがあります。

体的な条件は、「被相続人と生計を同じくしていた者」「被相続人の療養看護に努めた者」「その他被相続人と特別の縁故があった者」のいずれかとなります。

これらの条件を満たす場合、家庭裁判所に申し立てることで財産分与を受けることが可能です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。