遺産相続前に勝手に土地建物など名義変更された場合の対処法

故人名義となっていた不動産が、遺産相続が完了する前に誰かによって名義変更されているケースがあります。このような場合どう対処すればよいのかを考えます。

・不動産が売却される前に処分禁止の仮処分を申し立てよう

遺産となる不動産が第三者に売却される前に、裁判所へ「処分禁止の仮処分」を申し立てます。

本来相続するはずだった不動産が第三者に売却されてしまった後では、問題の解決が困難になっていきます。

不正な手続きに気が付いた時点で即時裁判所に申し立てを行い、該当の不動産を売却できないように手を打つ必要があります。

・相続財産となった不動産は勝手に名義変更ができない

遺産を処分するためには、相続人全員が署名し実印を押印した「遺産分割協議書」が必要となります。

これは不動産だけではなく、預貯金や車の所有権など遺産となるすべての財産にあてはまります。

それらを処分するためには、相続人全員が了承することが必要なのです。

ですから、勝手に名義変更をすることは本来できません。

遺産に該当する不動産や車などの名義が勝手に変更されている場合、遺産分割協議書や印鑑登録証明書などを偽造している可能性が出てきます。

偽造された遺産分割協議書や印鑑登録証明があると、相続財産が勝手に処分されるリスクがあります。

ですから、該当する遺産分割協議書が偽造されたものであり無効であることを裁判所で確認してもらうための訴訟を起こしましょう。

・遺産分割協議書の偽造は刑事罰の対象になる

相続人の1人が遺産分割協議書を偽造し勝手に名義変更を行っていた場合、その人は大きなペナルティを負うことになります。

遺産分割協議書を偽造する行為は、「私文書偽造」という刑事罰に該当します。

また、書類の偽造により相続する権利を侵害されたほかの相続人は、偽造した相続人に対して損害賠償請求も行うことが可能です。

偽造を行った相続人が話し合いにも応じず態度を改めない場合は、刑事告訴や民事訴訟を行うことができます。

・まとめ

遺産として相続するはずだった財産を勝手に名義変更され処分されそうになった場合には、「処分禁止の仮処分」を裁判所に申し立てましょう。

その上で問題となる相続人と話し合い、円満に解決できる道を探すとよいでしょう。

円満な解決が難しい場合は、遺産分割協議書が偽造されたことを証明し、刑事告訴を起こすことも考えましょう。

また、民事訴訟で損害賠償を請求することも可能です。

遺産分割協議書を偽造する行為は犯罪行為であること、そして勝手に名義変更するなどの行為は許されないことを明確にするのが賢明です。
(2020年現在)

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