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遺産分割は、法定相続人に一定の割合で行われることが定められています。
故人のすべての財産を平等に分けるために、配偶者がその1/2を、残りを子どもたちが均等に分けるのが基本です。
配偶者や子どもがいない場合は、両親や兄弟、孫などの存在によってまた割合が変わってきますし、もちろん遺言があればそれに従って分配されることになります。
生命保険と遺産分割
ところが、生命保険の保険金は遺産とはみなされず、受取人の固有の財産として扱われます。つまり、生命保険を受け取った親族も、そのことによって法定相続分が減らされたりすることはないのです。
生命保険を利用した遺産の配分
生命保険の保険金が遺産とみなされないという制度を利用して、遺産を希望する相手に残すこともできます。
たとえば、子どもたちに遺産を遺すことになったものの、早くに家を出て自由に暮らしていた弟に対して、家業や介護などで自分を常に支えてくれた兄に多く遺産を遺したいというのは無理もないことでしょう。
そんなときに、遺産ではなく生命保険の受取を兄にして生命保険に入っておけば、そのぶん兄に多く財産を残すことができます。
兄は生命保険の保険金を受け取ったうえで、さらに遺産の分配として弟と同じ額の遺産を受け取ることができるので、生命保険金として受け取った額はそれだけ兄に対しての上乗せ分ということになります。
金額や遺産に対する比率は人それぞれですが、こうして、遺産を多く残したい人に生命保険金を受け取らせることで、ある程度遺産の分配を操作することが可能です。
ちなみに、生命保険の受取人は、親族しか指定することは出来ません。
遺留分について
遺産の分配では、遺留分という金額が生じます。
これは遺言書によって、遺産が特定の人にすべて遺された場合などに、そのほかの相続人が一定の金額を請求できるものです。
例えば、兄妹2人で相続をする場合、全額を兄に遺すという遺言書があったとしても、妹は遺留分によって1/4は受け取ることができるようになっています。
本来の法定相続である1/2よりは少なくなりますが、全くもらえないということはなくなるのです。この遺留分についても、基本的には生命保険は対象外となります。
つまり、遺産はあくまで生命保険以外の遺された財産のみということになるのです。
ただし、これを利用してほとんどすべての財産を生命保険にした場合などは、裁判所の判断によってある程度の遺留分が認められることもあるので注意しましょう。
まとめ
生命保険の保険金は遺産とはみなされません。そのため、生命保険の受取人になっている場合でも、別途遺産を受けるところができます。
それを利用して、遺産とは別に財産を渡したい場合などに生命保険を利用することもできます。
基本的には生命保険は遺留分の対象にはなりませんが、財産からの割合によっては遺留分に含まれるので注意しましょう。