相続放棄の期限である3ヶ月の数え方は?

■相続放棄の手続き期限は3ヶ月

亡くなられた方が多額の借金をしていたり、連帯保証人になっていたりした場合は、相続放棄をすれば、このようなマイナスの遺産を受け継がずにすみます。

相続放棄で最も確実な方法は、家庭裁判所に申し立てをして承認を得ることです。

しかし、家庭裁判所への手続きは、3ヶ月以内に行わなければいけません。

■自分がその相続人であることを知った時点が起算日

相続放棄が可能な期間は3ヶ月ですが、この日数を数えるタイミングは、どのように法律で決められているのでしょう。

法律では、人が亡くなって、自分がその相続人であることを知った時から3ヶ月以内と記載されています。

たとえば同居している配偶者や子どもであれば、自分が法定相続人であることを知っているはずですから、原則として亡くなった当日から3ヶ月以内となります。

よほどの事情がない限り、一般的には親、配偶者など、自分が誰の法定相続人であるかを知っていると思われるので、亡くなった当日から3ヶ月以内と考えておきましょう。

とはいえ海外で暮らしている、亡くなった方と絶縁状態であるなどの理由で、死亡日時と死亡の知らせを受けた日時の間にタイムラグが発生することもあります。

このような場合は、なぜ相続が発生したことを知ったのが遅くなったのか、その理由を裁判所に説明する必要があります。

■期限の数え方

期日の発生日や期限の終了日はどのように数えればよいのでしょうか。

たとえば6月10日に亡くなられた場合、3ヶ月後とは9月10日なのでしょうか?それとも、9月11日なのでしょうか。

民法では期限の計算について、期間の初日は計算しないとしています。

しかし、その期間が午前0時から始まる場合は、初日を計算にいれると定めています。

また、期間の終了は、その日の終了(午後12時)と、定められています。

例えば、亡くなった日が6月10日であれば、初日は算入しないので、6月11日の午前0時から期限を計算します。

しかし、亡くなったのが6月10日午前0時であれば、6月10日から期限がスタートすることになります。

そして、期限のスタートが6月11日であれば、相続放棄の期限は9月10日午後12時となります。

では、期限の終了日が土曜日や日曜日、祝日の場合は、どうなるのでしょうか。

民法では、期限の終了日が土曜日や日曜日、祝日であれば、その翌日が終了日となると定められています。

例えば9月10日が日曜日であれば、9月11日の月曜日が期限の終了日となります。

また、期限の終了日が年末年始の12月29日から翌年1月3日に当たる場合は、1月4日が終了日になります。

■まとめ

法律には期限を設定する条文が多くあります。

期限の起点となる日は、特に重要なので注意しましょう。

相続放棄の申述の期限は、相続が始まったことを知った時から3ヶ月以内です。

期限内に申述が難しいようなら、税理士や弁護士など相続のプロに相談しましょう。

法定相続人の相続放棄とは?

■相続放棄のメリットとは?

相続放棄とは、亡くなった方の遺産を相続する権利を放棄することをいいます。

亡くなった方の財産は、お金や不動産などプラスの財産のみではなく、借金などのマイナスの財産も法定相続人が受け継ぐことになります。

もし、その方に多額の借金があれば、相続人がその後の返済を行なわなければいけません。

このようなマイナスの財産を受け継がなくてもよいように、相続放棄という権利が認められているのです。

したがって、プラスの遺産よりマイナスの遺産の方が多い場合は、相続放棄を考えた方がよいでしょう。

相続放棄をすれば、亡くなった方の借金を肩代わりして返済する必要がありません。

また、誰かの連帯保証人になっていても、保証人にならなくてもすみます。

多額の借金がある、誰かの連帯保証人になっているなどの不安要素がある場合は、相続放棄の手続きをすることで、これらの心配から解放されるメリットがあります。

■相続放棄の方法

相続放棄には2つの方法があります。

1つ目は、家庭裁判所に申し立てをする方法です。

相続放棄をする旨の申述書を、3か月以内に家庭裁判所に提出しなければなりません。

家庭裁判所が相続放棄を認めるのですから、誰に対しても相続放棄をしたことを証明できる確実な方法です。

家庭裁判所で相続放棄が認められれば、その人は最初から相続人ではないとみなされますから、その後は残りの相続人だけで、遺産分割の話し合いを進めていきます。

このため、他の相続人と仲が悪く、相続人同士での話し合いに関わりたくないといった場合にも、おすすめの方法です。

2つ目は、他の相続人全員との遺産分割の話し合いをする際に相続放棄の意思を示して、遺産分割協議書に何その旨を記す方法です。

こちらは、家庭裁判所を通さないので、相続人同士の約束事となります。

家庭裁判所で手続きをする手間や費用がないので、手軽に相続放棄ができるのがメリットです。

しかし遺産分割協議書は、署名・捺印した相続人の間だけで有効な書類となるので、債権者には認められないケースがあるので注意しましょう。

例えば長男である自分が相続放棄をして、次男が遺産を相続した場合、たとえその旨が遺産分割協議書に書かれていても、債権者がそれを認めない場合があります。

相続放棄をしたにも関わらず、次男だけでなく長男の自分にも、債権者から返済を迫られる可能性があるのです。

■まとめ

亡くなった方に多額の借金がある場合は、家庭裁判所で相続放棄の手続きをしておく方が安心です。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、相続放棄申述受理証明書を受け取っておきましょう。

また、家庭裁判所での手続きは3か月以内に行わなければならないことも忘れないようにしてください。

生命保険の相続税は非課税枠を上手に利用しよう!

■生命保険が相続税の対象になるとは限らない

生命保険で受け取る保険金は、保険料の負担者や受取人などによって相続税、所得税、贈与税と、税の対象が異なります。

また、保険金が相続税の対象であっても、条件によっては非課税となるケースもあります。

このため、生命保険を相続税の節税対策として活用することも可能です。

生命保険の保険金は、保険料を支払っている人(契約者)と、被保険者が同一人の場合は相続税となります。

契約者と、被保険者が異なり、保険金受取人と契約者が同じであれば所得税、違う人であれば贈与税となります。

例えば、被保険者が父親であって、契約者も父親、そして息子が保険金を受け取る場合は、相続税になります。

被保険者が父親で、契約者が息子、保険の受取人も息子の場合は所得税。受取人が孫の場合は、贈与税となるのです。

■非課税限度額とは?

保険金が相続税の対象となっても、受取金のうち、一定の金額(非課税限度額)までであれば非課税となります。

生命保険金の非課税限度額は、500万円×法定相続人数です。

つまり法定相続人が2人であれば、500万円×2人=1000万円が非課税となり、3人であれば500万円×3人=1500万円までが非課税となるわけです。

例えば、法定相続人が妻、長男、長女の3人で、生命保険金が5000万円である場合は、非課税限度額の1500万円を引いた金額である3500万円に相続税がかかります。

■非課税限度額の算出方法

相続人それぞれの非課税限度額は、次の計算式で算出した金額となります。

その相続人が受け取った生命保険金の金額-非課税限度額×(その相続人が受け取った生命保険金の金額/相続人全員が受け取った生命保険金の金額)。

例えば生命保険金が5000万円で、妻が3000万円、長男が1000万円、長女が1000万円を受け取った場合、妻の非課税限度額は、3000万円-1500万円×(3000万円/5000万円)=900万円となり、受け取った3000万円から900万円を差引いた2100万円に相続税がかかります。

長男と長女が受け取った生命保険金は1000万円と非課税限度額はより低くなるので、非課税限度額1500万円に、受け取った生命保険金1000万円を全員が受け取った生命保険金5000万円で割った金額を掛けた金額となります。

1500万円×(1千万/5千万)=300万円が、長男と長女の非課税限度額となり、1000万円から300万円を引いた700万円が相続税の対象となるのです。

■まとめ

生命保険の死亡保険金は、非課税限度額を活用すると、相続税の節税対策となります。

特に、資産の多くが現金で相続税全体の非課税枠を超過する場合、一時払い終身保険に加入すると、現金を生命保険の掛け金にできるので、節税できます。

また、不動産が多く、現金の資産が少ない場合も、現金として受け取れる生命保険は便利です。

重いペナルティ!相続税の重加算税とは?

■相続税の申告を適切に行わないとペナルティで納税額が増える

相続税の申告が適切に行われない場合、加算税というペナルティや遅延税が課されます。

加算税には過少申告加算税、無申告加算税、重加算税などがあります。

このうち悪質なごまかしや隠蔽があれば脱税の疑いありとみなされ、非常に重い重加算税のペナルティが課せられるので、必ず適切な申告を行うようにしましょう。

■過少申告加算税と無申告加算税

加算税のうち、過少申告加算税は、申告した金額が不足していた場合に加算されるものです。

無申告加算税は、決められた期限(10か月)までにしなかった場合に加算されるものです。

また、申告では期限が過ぎると経過した日数分の利息金が発生する遅延税も課税されます。

■重加算税はどんな場合か?

重加算税が課せられるのは、相続した遺産を故意に隠したり、偽りの申告をしたりした場合です。

加算の割合は、申告書を提出している場合と、提出していない場合によって異なります。

まず、申告書を提出している場合は、原則として35%の加算となります。

申告期限内に申告したけれど、相続した遺産の一部を敢えて記載しない、書類を偽造するなど虚偽の申告を行った場合です。

なお、過去5年以内に無申告加算税か重加算税が課されている場合は、さらに10%が加算され45%になります。

申告期限を過ぎても申告していない場合は、原則として40%の加算税が課せられます。

相続税を申告しなければならないのに、それを隠して申告しなかった場合などです。このような場合の加算のことを、無申告の重加算税といいます。

こちらの場合も、過去5年以内に無申告加算税か重加算税が課せられていれば、さらに10%が加算され、50%と非常に重い税率が課せられます。

では、具体的にどのような行為が重加算税の対象となるのでしょうか。国税庁の指針によると、主につぎの5つの事例が対象となるようです。

1つ目は、財産に関する書類の改ざんや偽造など。

2つ目は、相続した財産の隠蔽や、虚偽による財産の過小評価。

3つ目は、取引先などに帳簿書類の改ざんや偽造、隠匿などを強要していること。

4つ目は、相続人側が嘘をついて、取引先などに虚偽の受け答えを行わせていること。

また、その他の事実関係なども勘案して、財産を隠匿していると判断できること。

5つ目は、相続人側が被相続人の隠し財産や遠隔の土地、架空の債務であることを知っていながら、それを認識していないと偽って申告していることです。

■まとめ

35%や40%の重加算税は、とても重い負担です。

自分ではそんなつもりがなくても、申告をきちんと行わなかったばかりに、隠蔽とみなされて重加算税が課せられるケースもあります。注意しましょう。

相続税申告で遺産分割協議書は必要?

■遺産分割協議書とは?

遺産を兄弟など複数で相続する場合、誰がどの資産をどのくらい相続するかで揉めることがあります。

遺言書があれば遺言書通りに分割できるので揉め事は、ある程度防止できます。

しかし遺言書がない場合は、自分たちで決めることなるので、それぞれの利害が一致せず争いの元になることがあるのです。

このために、遺産分割協議書を作成するのが一般的です。

遺産分割協議書とは、複数の相続人がいる場合に、誰がどの資産を相続するかを話し合い、全員がその結果に合意したことを示す書類です。

書類に署名・捺印して文書として残すことで、全員が遺産分割に合意した証しとなり、どのような内容で遺産分割を行うかの証明にもなります。

この文書があれば、「私は遺産分割の内容に納得していない」と蒸し返されても、文書に署名・捺印があることを示して争いを回避することができます。

■遺産分割協議書を作成するまでの流れ

遺産分割協議書を作成するためには、まず残された資産を調査して、財産目録の明細を作成する必要があります。

その上で、遺産の分割の話し合いに入ります。

そして分割する内容が決まったら、決定した内容を遺産分割協議書として作成し、全員が署名・捺印を行った上で、印鑑証明書を添付します。

■遺産分割協議書を作成しない場合のデメリット

遺産分割でなかなか同意が得られないと、申告書の提出期限である10か月が迫っても遺産分割協議書の作成ができないことがあります。

相続税の節税という面からみると、これは大きなデメリットとなります。

遺産分割協議書が作成できないことは、申告書提出の遅延の理由として認められないからです。

遺産分割協議書の作成で税制上のデメリットは、減税の特例を受けられないことです。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の評価減、農地の納税猶予といった軽減特例が適用されません。

このほかにも相続税の物納、非上場株式などの納税猶予も適用されないのです。また、申告が遅れると、加算税が課せられるので、さらに負担が大きくなります。

これらの特例を受けるためには、申告期限後3年以内の分割見込み書の提出といった煩雑な手続きが必要です。

減税制度が利用できるか、できないかで、支払う納税額額には大きな差が開くことが多いので、申告期限までに遺産分割協議書の作成を目指しましょう。

■まとめ

相続人が複数いて遺産相続で揉めそうな場合は、生前に遺言書を作成しておくほうが安心です。

また、遺言書がない場合は、なるべくみんなが納得できるよう話し合い、少しでも早く遺産分割協議書を作成して申告期限に間に合わせることが大切です。

相続税の路線価の見方

■路線価とは?

路線価とは、土地の相続税を計算するための、土地の評価額です。

主に市街地の道路に面している土地の、1平方メートル当たりの評価額を定めたものです。

路線価は毎年更新されており、7月にその年の路線価が公表されます。

しかし市街地以外の土地などでは、路線価が定められていないところもあります。

このような場合は、路線価ではなく、その土地のある役所で倍率を調べて計算します。

■路線価の見方

路線価は国税庁のWebサイトで、直近7年分のものが公開されています。
(http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm)

相続税の申告を行う場合は、最新の路線価を調べるようにしましょう。

路線価図にはさまざまな記号や数値が記されています。

これらの記号や数値は、大きく分けて、次の3つに分類されます。

1つ目は、地区を表す記号です。2つ目は、借地権割合を示すものです。3つ目は、路線価です。

■地区を表す記号

地区を表す記号とは、道路の上に記されている○や◇、□などの記号で、普通住宅地区や普通商業・併用住宅地区、ビル街地区、高度商業地区など、その地区が主にどのような用途に使われているかを表しています。

■借地権を表す記号

借地権を表す記号はA、B、C、D、E、F、Gのアルファベットです。

借地権の割合はAが90%、Bが80%、Cが70%、Dが60%、Eが50%、Fが40%、Gが30%です。

■路線価を表す数値

路線価は、300Cなど数字とアルファベットで記されています。

左の数字が路線価(千円単位)、右のアルファベットが借地権割合で、地区を表す記号の中に記されているのが一般的です。

たとえば300Cであれば、路線価が300千円=30万円で、借地権は70%であることを示しているのです。

路線価から、相続税を算出する数式は、路線価×奥行価格補正率×土地の面積となります。

奥行価格補正率は奥行きの深い土地など、長方形の土地の形状による評価を正しく行うための補正です。同じ面積の土地であっても、不利な形状の土地であれば評価額を下げるようにして、税額の平等化を計るものです。奥行価格補正率もWebサイトで公開されています。

たとえば路線価が30万円で奥行価格補正率が0.97であれば、30万円×0.97=29万1000円が1平方メートル当たりの価額となります。

これに、土地の面積を掛け算すれば、相続する土地の価額がわかります。

例えば、相続する土地の面積が1000平方メートルであれば、29万1000円×1000平方メートル=2億9100万となります。

自用地であれば、借地権割合は無視してかまいません。

しかし借地であれば、価額に借地権割合を掛け算して借地権の価額を算出します。

■まとめ

路線価を表す記号は、その意味がわからなければ、評価額を正しく把握することは困難です。

しかし、記号や数値が何を示しているのかを理解すれば、相続する土地の評価額を知ることができます。

相続放棄の手続きが3ヶ月を経過した場合の上申書は?

■相続放棄の熟慮期間は3ヶ月

亡くなった方の遺産を相続する場合、プラスの遺産だけでなく借金などのマイナスの遺産も受け継ぐことになります。

プラスの遺産よりもマイナスの遺産の方が多ければ、相続放棄を検討することになります。

相続放棄の手続きは家庭裁判所で行いますが、その期限は「相続が発生したことを知ってから3ヶ月以内」と定められています。

しかし、全ての遺産の内容を調べて、プラスとマイナスの遺産がどれだけ残されているのかを、3ヶ月以内に調べるのが難しい場合もあるでしょう。

このように遺産の内容を調べて、相続放棄をするかどうかを決める期間が3ヶ月なのですが、この期間のことは熟慮期間と呼ばれています。

■3ヶ月を過ぎても相続放棄が認められるケース

熟慮期間の期限である3ヶ月経を経過すると、相続放棄の手続きはできなくなるのでしょうか。

原則としては、3ヶ月を過ぎての申立は受け付けてもらえません。

しかし、3ヶ月では熟慮できないことを理由に、熟慮期間の期限を延ばしてもらうことが可能です。

例えば遺産の内容が不動産や非上場株式などで、3ヶ月以内に価額が判明するのが難しいことを理由に、熟慮期間の伸長の申し立てることになります。

その他にも、期限の発生日である「相続が発生したことを知った日」がいつであるかを理由に、熟慮期間の期限を伸ばしてもらう方法もあります。

このようなケースとしては、配偶者や子供、直系尊属などの第1順位、第2順位の法定相続人が相続放棄をしたために、第3順位の兄弟姉妹が相続放棄をする場合などがあります。

また、被相続人に相続財産が全くないと信じていた場合も、特別な事情があったとして熟慮期間の伸長が認められることがあります。

このような場合は、相続放棄の申述時に事情説明書(上申書)を提出する必要があります。

そして家庭裁判所に、その事情が正当な理由であることを認めてもらわなければいけません。

このように期限の3ヶ月が過ぎても、相続放棄の申し立てが認められるケースがあります。

しかし、期限の延長を認めてもらうためには、正当な理由があることを、法律上の観点から合理的に説明しなければいけません。

相続放棄の申し立ては原則として1度だけです。

1度申し立てをして、認められなければ、再び申し立てをしても受け付けてもらえません。

■まとめ

相続放棄のチャンスは1度だけです。

特に3ヶ月が過ぎた後に相続放棄を行う場合は、慎重の上にも慎重を期する必要があります。

このため自分で行うよりも、相続放棄を得意とする専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄に必要なものは?

■相続放棄とは?

相続放棄とは亡くなった人のプラスの遺産も、借金などのマイナスの遺産も、全て受け取りませんと宣言する手続きで、必要書類を家庭裁判所に提出して行います。

■相続放棄の手続きに必要なもの

相続放棄の手続きに必要な書類などは、亡くなった方との関係によって変わります。

まず、亡くなった方との関係にかかわりなく、全ての人に共通して必用なのが、次の4つです。

1つ目は、被相続人の住民票除票または戸籍附票です。

2つ目は、相続放棄をする本人(申述人)の戸籍謄本です。

3つ目は、800円分の収入印紙で、これが手続き費用となります。

4つ目は、連絡用に使う郵便切手で、申立をする家庭裁判所によって切手の枚数は異なりますが、80円切手を5枚程度用意しておきましょう。

以上が、すべての人に共通して必要なものとなります。

■第1順位の相続者に必要な書類

亡くなった人の配偶者、子の場合は、上記の必要書類や収入印紙、切手に加えて、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本が必要です。

亡くなった人の代襲相続人(孫やひ孫など第1順位相続人)の場合は、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本と、被代襲者(親など本来の相続人)の死亡の記載が入った戸籍謄本が必要です。

■第2順位の相続者に必要な書類

亡くなった人の父母や祖父母など第2順位相続人の場合は、亡くなった人の出生時から死亡時に至るまでのすべての戸籍謄本が必要です。

また、亡くなった人の子またはその代襲者が死亡している場合は、その人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本も必要となります。

亡くなった方の祖父や祖母場合は、亡くなった方の親の、死亡の記載のある戸籍謄本も必要です。

■第3順位の相続者に必要な書類

亡くなった方の兄弟姉妹またはその代襲者の甥や姪などの第3順位相続人の場合は、被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本被相続人の子や代襲者の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本被相続人の直系尊属の、死亡の記載のある戸籍謄本が必要です。

また、申述人が甥や姪といった代襲相続人である場合は、被代襲者(本来の相続人)の死亡記載のある戸籍謄本も提出する必要があります。

上記が相続放棄に必要な書類などとなります。

■まとめ

相続放棄のためには、亡くなった人との関係を示すための戸籍謄本や住民票など、様々な書類が必要です。

煩雑ですから、相続放棄に必要な書類など、どのように準備すればいいのかわからない場合は、相続放棄を得意とする税理士や弁護士に相談することをおすすめします。

相続放棄が無効になる場合は?相続放棄を取り消す方法

■原則として相続放棄の取り消しはできない

家庭裁判所で相続放棄の手続きをすると、それを取り消すのは非常に難しくなります。

相続放棄の手続きをした後で、プラスの遺産が多額にあることを知ったとしても、それを取り消すことは、原則としてできないからです。

しかし、相続放棄の申立書類を裁判所に提出しただけで、まだ家庭裁判所が受理していなければ、撤回することは可能です。

相続放棄の申立書を提出した段階であれば、いち早く裁判所で取り下げ手続きを行いましょう。

■例外的なケースでは相続放棄が無効になる場合もあり

家庭裁判所が相続放棄の申立書類を受理すると、相続放棄が認められたことになりますから、取り消しするのは非常に困難です。

しかし、次のような例外的なケースでは、相続放棄を取り消しが可能です。

例えば、未成年者が親権者などの法定代理人に無断で相続放棄をした場合、被保佐人が保佐人の同意を得ることなく相続放棄をした場合、成年被後見人が相続放棄をした場合などでは、相続放棄が認められるケースがあります。

■詐欺や脅迫による相続放棄も取り消し可能

詐欺や脅迫によって、自分ではそのつもりがなかったのに相続放棄を行った場合も取り消しが可能です。

詐欺であれば、他の相続人から「多額の借金しかなく資産なんか一銭もない」と騙されて相続放棄をした場合など。脅迫であれば、他の相続人から「相続放棄をしなければ危害を加える」と脅迫されてやむを得ず相続放棄をした場合などです。

ただし、脅しではなく「相続放棄をした方がいいのでは?」とアドバイスされた程度では、脅迫とはいえませから、相続放棄の取り消しは認められません。

詐欺や脅迫など、自分の意思ではなく、やむを得ず相続放棄をした場合のみ、取り消しが認められるのです。

■勘違い(錯誤)に基づく相続放棄も取り消しできる

自分の意思で相続放棄をしたのであっても、勘違い(錯誤)に基づく相続放棄であれば、無効を主張することが可能です。

勘違いによる相続放棄で最も多いのが、被相続人には借金しかないと思い込んでいたケースです。

このようなケースで、相続放棄の無効を主張をする場合は、勘違いした理由が正当であることを認めてもらわなければいけません。

しかし相続放棄が受理されているのですから、相続放棄の申立書に、自分が把握する被相続人の財産や相続放棄の理由を記載しているはずです。申立書の記載に基づいて、被相続人にはプラスの遺産がほとんどなく、多額の負債があったとして錯誤による相続放棄の無効を主張することができます。

■まとめ

相続放棄は原則として取り消すことはできませんが、例外的なケースでは取り消しが認められることがあります。

しかし、相続放棄の取り消しには正当な理由を主張する必要があり、手続きも煩雑です。

相続放棄をする際には、自分が把握していないプラスの遺産がないかなど、十分に調べた上で、慎重に行いましょう。

相続税の無申告には加算税のペナルティが!

■無申告加算税とは?

遺産を相続して相続税を申告しなければならないのに怠った場合、無申告加算税というペナルティが発生します。

無申告加算税とは、申告するべき期限内に申告をしなかった場合に、納付しなければならない相続税に対して、さらに税金が課税される法律制度です。

課税される割合は、期限後に申告した時期によって異なります。

期限後になっても申告を行なわなくても、相続税に関する税務調査の事前通知がされる前であれば課税率は低くなります。

しかし事前通知後の申告の場合は、課税率が高くなるので注意しましょう。

また、事前通知後の申告であっても、「更正の予知」の前と後とでも、課税率が異なります。

では課税率がどのくらいなのかをみていきましょう。

まず、災害で交通・通信の道が閉ざされて期限内に申告できなかったなど、やむを得ない理由であると認められた場合は、無申告加算税の対象とはなりません。

従って課税率は0%です。

次に、申告期限を過ぎているが、税務調査の事前通知より前に自主的に申告した場合は、5%が課税されます。

税務調査の事前通知を受けた後であっても更生の余地の前であれば、納税額が50万円までの部分に10%が加算されます。

さらに、50万円を超える部分には15%が加算されます。

更正の予知後であれば、納税額のうち50万円までは15%、50万円を超える部分は20%が加算されます。

なお、更正の予知とは、解釈が難しい用語ですが、税務調査前の段階で、税務署から申告内容などに誤りがあると指摘されるだろうと予測することをいいます。

もし全く予測していなかったら更正の予知の前になり、予測していたら更正の予知の後になります。

■過少申告加算税とは

たとえ申告期限内に相続税の申告書を提出していても、支払うべき納税額よりも少ない金額で申告した場合にも、加算税が課されます。

このような場合の加算税のことを、過少申告加算税といいます。

過少申告加算税も、提出する時期によって課税率が異なります。

税務調査の事前通知より前の申告であれば、過少申告税は課されません。

税務調査の事前通知の後から更正の予知の前までの期間であれば、申告で不足している納税額に対して5%が加算されます。

また、不足していた納税額が当初の申告納税額または50万円のうち、金額が多い部分に対して10%が加算されます。

更正の予知後の場合は、不足していた納税額に対して10%が加算されます。

また、不足していた納税額または50万円のうち金額が多い部分に対して、15%が加算されます。

このほかにも意図的に申告をしなかった場合は、無申告加算税ではなく40%の重加算税が課されます。

意図的に少なく申告した場合は、過少申告加算税の代わりとして35%の重加算税が課されます。

■まとめ

相続税の申告は期限内に正しく申告しなければ、ペナルティとして税額が加算されるので注意しましょう。