相続手続き?生前に放棄していれば気楽?〜相続の真実〜

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被相続人の権利や義務も含めた財産を引き継ぐ場合、相続人は相続手続きをしなければなりません。しかし、遺産相続で骨肉の争いや負債などでトラブルが起きる場合もあります。トラブルに巻き込まれず、相続手続きの悩みから解放される方法として「相続放棄」が考えられます。
相続放棄を考えている方の中には「被相続人の生前に相続放棄の旨を伝えておけば、相続争いに巻き込まれないのでは?」と思っている方もいるでしょう。しかし、生前の「相続放棄」は法律上で認められていません。
この記事では、適切なタイミングで相続放棄をするための流れを分かりやすく解説していきます。

生前放棄は気楽?本当にできるのか?

遺産相続に関わる言葉で「相続放棄」というものの存在はよく知られています。しかし、残念ながら生前に遺言書に残してあったとしても、遺産の放棄は認められていません
契約書や念書を作成しても法的効力はなく、「遺産を相続しません」と被相続人や他の相続人に宣言しても、法律的には意味が無いのです。

どうして生前契約しても放棄ができない?

相続放棄は一般的な言葉であるにも関わらず、なぜ生前契約では法的効力がないのでしょうか。

  • 法律に生前の相続放棄の制度が無い
  • 家庭裁判所で相続の手続きを行うが、生前での相続放棄を受け付けていない
  • 平等性に問題が出てくる

生前に相続放棄ができないのは、法律での規定がないからです。民法882条でも「相続は、死亡によって開始する。」と定められており、相続放棄ができるのは相続発生後になります。
家庭裁判所であっても生前の相続放棄を受け付けていません。生前の相続放棄に関連する裁判の判例でも「法律上の制度がなく、家庭裁判所でも受理されない」という理由から無効とされました。
生前の相続放棄ができない背景には、相続人の平等性が失われる可能性も考えられます。生前整理があると、被相続人や他の相続人から「相続放棄をしろ」と、強要や介入が発生する可能性があるからです。

相続放棄をするタイミングは?相続の開始を知ってから3ヶ月以内

被相続人の死後、相続の開始を知ったタイミングでの相続放棄は可能ですが、相続放棄が許される期間を把握しておきましょう。
一般的に認識されている「被相続人の死後3ヶ月以内」という認識は間違っています。
法律上の相続人となったことや、相続がスタートした事実を知ってから3ヶ月以内となります。

ただし、絶対的に3ヶ月以内という訳でもありません。相続人を含めた利害関係者や検察官により、期間延長の申し立てができます。
申立先は被相続人の最後の住所地となる裁判所で、相続人一人につき収入印紙や連絡用の郵便切手代金が必要です。このほか、申立書や被相続人の重身表除票、利害関係を証明する戸籍抄本等、復数の必要書類を用意しなければなりません。

相続をしたくないなら生前ではなく被相続人の死後に相続手続きを

被相続人の生前に相続放棄をすれば、「面倒事に巻き込まれなくて済む」と考えても、日本にはその制度がありません。相続放棄をしたいなら、被相続人が亡くなり相続開始が始まった時から3ヶ月以内に行うようにしましょう。
生前にどれだけ準備していても、相続放棄の書面や遺産協議分割書などの必要書類からは逃れられません。相続放棄の流れを知っているだけで、手続きをスムーズに進められるので、相続放棄を検討している方はこの記事を参考にしてみてください。

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